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九条静音の黒執事妄想劇場
セバスチャンxシエルのBL中心の日記です。九条静音の黒執事個人誌の紹介もあります。その他ネタバレの配慮は致して居りませんので、ご注意18禁有り
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あとがき、もう一つのラスト
 やっと終わりました(・_・;)
 仕様変えてないのに、本文、長文なので、毎回苦しみました・・・
 シエXセバは、ノリノリなのですが、セバスチャンを子供のシエルが抱くのは、今回は、違和感があり、身体のみ、大人にしてみました。
 切ない二人の想いを感じて頂けたら、幸いです♥ セバスチャン受け、苦手で、ウッカリお読みになられたお嬢様、ごめんなさい(・_・;) 九条のブログは、ジャンルをアダルトにしておりますので、基本、全ページ裏です(-_-;)
 隠すと言う、高度な芸当が出来ませんので、次回から、お越しの際は、ご注意下さいませね(・_・;)
 基本はセバシエ中心でいきますが、偶に、シエセバと言う爆弾投下されますので、小説お読みになられる時は、ご注意を・・・
 気分を害されましても、当方では、責任をおとりできませんので、悪しからず・・・ 
 取り敢えず、アニメⅡのラスト、補完小説二本、ラストのみ別バージョンと言う形でお送り致しました♥
 また、別バージョンとしまして、セバスチャンお仕置き小説、定番の鎖拘束、触手責め、マニアックなのも、書きたいと思っています(・_・;)
 携帯ブログに書きかけの「黒ミサ」編では、セバスチャンの別バージョンの正体とか、家族を出したいと思っていますので、気になるお嬢様は、まず、リンクの「黒執事妄想劇場」のタイトル「黒ミサ」アクセスしてみてね。 会社で、仕事中にゲームをしている不届き者の御蔭で、現場に携帯持ち込み禁止により、メールさえ閲覧するのが、不可能です。携帯ブログは、朝少し書くか、メールでモブログにして、写真ぶろぐと化しております。
 カテゴリー指定無理なので、どんなのでも、黒執事になっていますので、ご注意を・・・
 黒執事にどんどんのめり込んで、普通の生活出来ません・・・こんな私を愛してくれる旦那に感謝しております♥
 一応、妻として母としての務めは、はたしてますので、ご安心を・・・
 持病とか、高血圧とか、骨の老化現象とかで、本当は、働くのは、無理なのですが、息子と旦那の食費の為に、平日のみ、仕事に行っています♥ 源動力が、黒執事だったりしますが・・・ この歳になって、あんなに拒否していたPC触るとか、有り得ない事です(-_-;)
 「黒ミサ」携帯ブログでNO.5くらい、ほんの少し書いています。 資料がはっきりしましたら、当ブログ内で、日付とか、アクセスしやすい情報を載せますので、お待ち頂ける方は、お楽しみに・・・
 黒執事が、好きで好きで堪りません(・_・;)
 H23年も「黒執事」やってましたら、お付き合い下さいね♥
もう一つのラストNO.3
「ああっ・・・坊ちゃん・・・」シエルの唇は、セバスチャンの身体中を這いまわる。
 今まで、冷静で完璧な執事を演じていたセバスチャンらしくない乱れ方・・・悪魔は、享楽に貪欲だから・・・
 首筋の後、胸の突起に触れ、甘噛みしたり、抓ってみたり、散々、嬲ってみた。
 「はぁっ」セバスチャンの口からは、嬌声しか出ていない。
 性器は先端から、トロトロと先走りの液を滴らせていた。
 先ほどまで、散々、嬲っていたので、敢えて、性器は無視して、グイッと尻を持ち上げ、蕾に舌を這わせる・・・セバスチャンにされていた様に・・・
 「あっ・・・坊ちゃん・・・」セバスチャンは、キュッとシエルの舌に反応し、締め付ける。
 「お前、これじゃ前に進めないじゃないか・・・」シエルは過剰反応するセバスチャンに、溜息をつく。
 「仕方ないですよ・・・バックバージンなんですから・・・」以外な告白にシエルは、ドキリとした。
 子供の自分が、愛撫していて、この反応なのだ。
 同族の男の悪魔なら、喜んでセバスチャンを抱いていただろうに・・・
 「そんな事、思わないで頂けますか?坊ちゃん以外に抱かれ様とは、思いませんから・・・」セバスチャンの恐らく、本音の告白・・・
 「さっきから、僕の心を読むな!楽しみがなくなるだろうに・・・」次のシエルの行動を読んで、反応をしてやってるだけに感じてしまうから・・・
 「そんな器用な真似出来ませんよ、貴方に只、素直に反応しているだけですから・・・」「何か、萎えそうだ・・・」シエルは、大人しく抱かれないセバスチャンに呆れる。
 「でしたら、坊ちゃん抱かせて下されば、問題解決ですよ。」ガバッと、身体を起こして、シエルを押し倒しそうなセバスチャン・・・。
 「それは、駄目だ!僕がお前を犯るんだからな・・・お仕置きなんだから♥」ニッコリほほ笑むシエル。
 セバスチャンは渋々、元の体勢に戻った。
 シエルの愛撫を受けやすい様に、自分で太ももに手を掛け、持ち上げる。
 「いい子だ、セバスチャン」シエルは従順なセバスチャンに満足して、子猫がミルクを舐める様に、ピチャピチャとセバスチャンの蕾を舐める。
 「んんっ」セバスチャンは声を押し殺す。
 シエルは自分に捧げられた生贄、子羊なのだ・・・
 まさか、そんな相手に翻弄され、抱かれるハメになるとは・・・
 ツプッ、シエルの指が一本、挿入された。
 「ひあっ」堪らず、セバスチャンは声を上げる。
 グチュ、グチュと卑猥な音がセバスチャンの聴覚を支配する。
 ヌルッとした舌で蕾の皺を丹念に舐められる。
 人間と違い、そこは、見かけだけで、機能してない場所なのだ。
 いくら舐めても、汚くはない・・・しかし、シエルの唾液で濡れ、指で解され、受け入れる準備の為に、愛撫されていると、有り得ない現象が起きる。
 女の様に愛液を滴らせ、濡れていくのが解る。
 セバスチャンは、自身の身体の変化に驚きを隠せない。
 悪魔の中には、男同士で番いになるのも、珍しい事ではない。
 子を孕ませる事が可能だからだ・・・逆の意味で、女同士だと孕む事は、不可能なので、夫婦になる変わり者の悪魔もいた。
 両生体の悪魔は、絶滅していたくらいなのだから・・・
 (シエルだからか・・・私の身体は、坊ちゃんでないと駄目なのか・・・他の誰かとでは、感じないのかも・・・)セバスチャンは苦笑してしまう。
 魂を喰らいたくて、執事に落ちてまで、シエルに仕えてきたのに、身体は心は、シエルに堕ちていたのだ。
 自嘲めいた思考が頭を過ぎるセバスチャンだったが、それならば、自身の心に素直になった方が救われる。
 悪魔としてどうか?とは、想うが・・・
 「もう、坊ちゃん・・・焦らさないで・・・入れて・・・貴方を感じさせて・・・」悪魔のおねだりは、官能的だった。
 「セバスチャンそんなに僕のこれが欲しいのか?でも、まだ、充分に解してないぞ。裂けても、僕では治せないぞ?いいのか?」シエルは悪魔なのに、セバスチャンを労わる発言をした。
 これでは、お仕置きの意味がない。
 「構いませんよ、自分で治しますから、さぁ、どうぞ、ご存分に・・・」セバスチャンは、シエルの頬を優しく撫でて、誘導する。
 そこまで言われて、ここで引く訳には、いかないシエルだった。
 怖々、セバスチャンに己のモノを入れるべく、セバスチャンの内部に、挿入を開始した。
 ググッとセバスチャンの蕾をこじ開け、ゆっくりと侵入していく。
 「くうっ」あまりの大きさにセバスチャンは、苦痛の悲鳴を上げる。初体験のセバスチャンは、シエルの侵入を拒絶してしまうのだ。
 「フゥ、狭すぎる、セバスチャン、締めるな、こんなでは、僕が持たない・・・」犯している筈のシエルの方が、犯される感覚に陥るのだから・・・
 セバスチャンの身体は、最高と言えよう・・・
 「裂けてもいいんだな・・・いくぞ、セバスチャン」シエルは、セバスチャンの腰を掴み、無理矢理、挿入した。
 グップン・・・セバスチャンの内部は熱くウネリ、シエルのモノを奥へ奥へと誘う。
 (ああっ・・・坊ちゃん・・・いつか、貴方が大人になった暁には、私を孕ませる事さえ、可能でしょう・・・でも、今はこのままで・・・)シエルが繰り出す腰の動きに、自分を揺さぶる官能に支配されるセバスチャン。
 「僕には、お前だけでいい・・・いつまでも、僕の傍にいてくれ。僕を見る優しい目が、僕の心をかき乱し、支配していく・・・それでも構わない。二度と裏切るな、今度はどんなお仕置きをするか、保障しないぞ!」シエルは、悪魔になったばかりなのに、セバスチャンに勝つ気でいる。
 「ええ、いつまでも、お傍に・・・もう、二度と貴方を裏切りません・・・貴方の望まれる形に、姿になりましょう・・・貴方は、永遠に私の伴侶ですから・・・」セバスチャンは、覚悟を決めた。
 女になろうが、自分は自分、シエルの傍に仕える事が、自分の悦びだと気付いたから・・・
 「お前だけが僕の傍にいていい・・・お前は僕の妻・・・」「ええ、マイ・ロード、貴方は私の主で夫・・・貴方だけでいい・・・貴方しかいらない・・・」二人の交わした契約は、形を変え、永遠に二人を縛る呪縛に変わった・・・お互いを永遠の伴侶に・・・
 刻を重ね、今、二人は結ばれる・・・                        FIN
もう一つのラストNO.2
シエルは、セバスチャンの髪を優しく洗っていく。
 その間、セバスチャンは無言だった。
 自身の命を掛け、シエルを取り戻したものの、状況が一変してしまった。
 シエルとの契約を途中放棄した代償は、思った以上に大きく、シエルに主導権を握られてしまったのだ。
 罰が悪い・・・嘘がバレ、母親にこれから叱られる子供の様な心境なのだ・・・今のセバスチャンは・・・
 目の前のシエルは、人間界で見た事のない優しく、慈愛に満ちた微笑みを向けている。
 嫌な汗が流れるセバスチャンなのだ。
 「身体は大丈夫なのか、セバスチャン?」悪魔でも優しいシエル。
 「ええ、少し楽になりました・・・」セバスチャンは、目を合わせ様としない。
 「フフ・・・らしくないな、何、緊張してる?まぁ尤も、お仕置きの解らないお前ではないな?少し、温まっておけ、僕も身体洗ってくるから・・・」セバスチャンの髪を洗い終わり、身体も軽く洗ってやり、バスタブに入れてやってから、シエルは離れた。
 ハァ・・・と一人バスタブの中で溜息をつくセバスチャン・・・
 (お仕置き・・・まさか、坊ちゃんは私を・・・仕方ないとは言え、そんな・・・でも、ワザワザ身体、成長させる意味とは・・・?)セバスチャンの頭の中に、あれやこれや卑猥なお仕置きが思い浮かぶ。
 自分は、人間だった時のシエルを散々、啼かせてきたのだ・・・自分がシエルに同じ目に合わされても仕方のない事・・・でも、ヤラレるよりは、ヤル方が・・・
 「どうだ、温まったか?少し、気分が良くなったみたいだな。では、そろそろ・・・」ザバァっとセバスチャンを立ち上がらせ、シエルがバスタブに入る。
 当然、屈んだシエルの前には、セバスチャンの性器が晒されるのだ。
 シエルは、何の躊躇もなく、ソレを口に含んだ。
 「ちょ・・・坊ちゃん・・・」セバスチャンは、シエルのいきなりの行動に戸惑い、髪に手を添え、逃れようとする。
 「馬鹿、ここで止めたら、お仕置きにならないだろうが?さぁ、お前の声を聞かせろ・・・」シエルのお仕置きとは、セバスチャンを抱く事だったのだ。
 今まで、シエルから、進んで口淫された事のないセバスチャンは、嬉しいのだが、戸惑う。
 これだけで、満足する筈のないシエルだろうから・・・
 それでも、シエルの口に自分の性器を咥えられている悦びに身体は、心と裏腹に、反応し、呆気なく、射精してしまうセバスチャンだった。
 身体の力は抜け、ズルっと体勢を崩したセバスチャンはシエルの腕に掴まれ、後ろ向きに、体勢を変えられた。この後どうされるかは、解ってしまう。
 シエルは、セバスチャンの尻を高く上げ、バスタブの縁に身体を押し付けた後、グイッと秘孔を広げると、セバスチャンの放ったモノを流し込みながら、舌を挿入し、ピチャピチャと舐め、後ろを解しだしたのだ。
 (嗚呼・・・やはり・・・私を抱こうと・・・)予測はついたものの今まで散々、組み敷いた相手に、組み敷かれるのは、少なからず、ショックな物なのだ。
 「さぁ、もうだいぶ解れたぞ。お仕置き開始だ。」シエルは、身体を成長させたばかりではなく、アソコもグレードアップさせていた。
 本来の成長過程では、シエルのモノは、そこまでは、大きく成長しないと言うのに・・・グロく張り出した亀頭をセバスチャンの入り口にグリグリと当て、セバスチャンの反応を窺う。
 大の大人二人で、バスタブの中での行為は、失敗だったとシエルは内心では思っていた。
 向かい合って、抱きあうのは、無理なので、背後からの責めでは、セバスチャンの感情の揺らぎは、感じるものの、表情は見えない。
 とにかく、一発ヤッテから、寝室での行為に移ろうと思うシエルなのだ。
 責められているセバスチャンは、堪らない。
 いくら悪魔が、享楽に貪欲でも、バックバージンなセバスチャンだったのだ。
 自分を契約で縛りつけ、尚且つ、身体まで主であるシエルに所有されるのだ。
 屈辱以外の何者でもない行為・・・
 「不服か?大したヤツだ、お前は・・・しかし、僕だって自分の駒に舐められた真似されて、黙ってる訳には、いかないんだ。いい加減、覚えろ!お前が誰の所有物かって事を・・・」シエルもここで引き下がれない。
 強引にセバスチャンの内に押し入った。
 「ああっ・・・」無理な挿入にセバスチャンのソコは、軽く裂け、赤い血を滲ませ、浴室にセバスチャンの血の香りが充満した。
 それだけで、シエルは興奮し、自身が、大きくなるのが、解ってしまう。
 「止め・・・坊ちゃん・・・そんなに・・・大きく・・・」セバスチャンは、荒く息を弾ませ、内部でビクビクと蠢く、シエルのモノの大きさに喘ぐ。
 「くっ・・・お前こそ、僕のを食い千切るつもりか・・・」シエルも眉間に皺を寄せ、自身を締め付けるセバスチャンの内の良さに根を上げそうになる。
 「だったら・・・もう・・・」シエルも言葉を続けられず、律動を開始した。
 パンパンと響く、イヤラシイ音・・・グチュグチュっと、セバスチャンの出した蜜の卑猥な音・・・
 二人共、言葉が見つからず、只、行為に没頭した。
 やがて、激しく腰を打ちつけたシエルの突きに根を上げたセバスチャンが射精し、内部の締め付けに堪りかねたシエルは、セバスチャンの内に、熱い精液を放った。
 「ああ・・・んっ・・・坊ちゃん・・・」セバスチャンの快楽に満ちた声・・・
 ズルっとセバスチャンの内部から、自身を引き抜いたシエルは、セバスチャンの内から、滴り落ちる自身の精液の量に驚く。
 (何日、セバスチャンと抱きあ合ってなかったのか?)シエルは、セバスチャンへの愛しさで、心が満たされていくのを感じていた。
 悪魔になってしまった自分を見なくなったセバスチャン・・・
 嫌味な程の完璧な男は、心まで悪魔だったのだ。
 人でなくなった自分には、価値がないとでも言いたい態度で、無表情な顔しか見せなくなっていた。
 心が軋む・・・嫌われたなら、死にたいと思ったシエルは、死神ウィリアムの力を借りる事にした。
 害獣が2匹に増えたら、嫌だろうと煽って・・・しかし、自分がセバスチャンとの契約はそのままに、死んでしまったら、こうなるだろうと、ウィリアムと相談していたのだ。
 セバスチャンは気位の高い悪魔だから、自分の命を掛けてでも、シエルを取り戻そうとするだろうとの予測もしていた。
 思い通りに事が進むと、当たり前過ぎで、複雑な感じのシエルなのだが・・・
 セバスチャンの内部に放った自分のモノを簡単に掻き出し、手早くセバスチャンを洗い、寝室に寝かした。
 体力が残っているのか不明だが、ここで、引く訳には、いかないシエルだ。
 「お前が悪いんだ・・・僕の想いを拒絶した罪は、お前の身体で、償って貰おうか・・・悪魔同士だと性別は、関係ないそうだしな。」シエルは、未だに、荒い息のセバスチャンに冷酷なセリフを吐いた。
 「ええ・・・どうぞ・・・そ・・・れで・・・貴方のお気が済むなら・・・」セバスチャンは、荒い息の中、それだけ言うと、肩の力を抜いた。
 シエルが大人になるまで、契約が達成されなければ、自分の身体で、何時か、他人を抱く方法を教える日が来るかも知れないと思っていたセバスチャンだったから。
 現実になるとは、夢にも、思っていなかったのだが・・・
 シエルは、仰向けにしたセバスチャンの唇を貪り始めた。
 深く、熱く、シエルの口付けは、濃厚で、官能的になっていく。
 セバスチャンの脳裏に、かつてのシエルの婚約者エリザベスの事がフッと浮かんだ。
 シエルが自分と契約する事なく、両親も健在で、運命が変わらなければ、無邪気な夫婦になり、今のセバスチャンの位置は、エリザベスだったのだろう・・・
 「いい度胸だな、僕に抱かれて、よそ見か?案外、僕が初めてではないんじゃないか?」シエルの心ない言葉・・・敢えて、反論はしないセバスチャン
 (こんな事、言いたい訳じゃないのに・・・)シエルに捨てられるくらいなら、シエルを置いて死のうとしたセバスチャンに悦びさえ感じていたのに・・・自分以外と何度も、何人も抱いていたであろうセバスチャンの過去・・・シエルの心を軋ませる。
 今のシエルなら、セバスチャンの過去の一部は覗けるだろう・・・しかし、真実は、知るのが、怖い・・・
 お互い想い合い、空回りする想い・・・
 シエルの過去が悲惨なだけに、セバスチャンを責める事もままならない・・・
 お互いを貪る様に求め合い、一つに溶け合えば、今までの出来事は、二人の愛の絆を深める為のスパイスに成り得る事すら、気付かない二人・・・
 どこまでも不器用な二人の悪魔・・・
 シエルは只、黙したままセバスチャンの身体を丹念に愛撫していく。
 唇を口の中を蹂躙した後、首筋に赤い所有印を薔薇の花の様に丹念に散らしていく・・・
 「ああっ・・・坊ちゃん・・・」堪らず、セバスチャンが嬌声を上げる。
 シエルは、心は13歳のまま・・・身体のみ、大人になっただけ・・・
 自分の愛撫に没頭し、溺れていくセバスチャンを見つめる・・・(本当に、愚かな悪魔だ・・・)自分の魂を喰らう前に、慈しみの意味だったのか、愛していると告げたかったのかは、不明だが、キスしようとしていたセバスチャン・・・全ての運命が狂った瞬間だった。
 目の前の悪魔は、自分の愛撫に身悶え、かつての面影はなかった。
 こうも、セバスチャンが、快楽に翻弄されるとは、思わず、苦笑するシエルだった。
 (こんなに可愛いのだったら、もっと早く抱いておけば良かった。)シエルは、思っていた。
 「嫌ですよ、今だから許して差し上げてるんですよ・・・貴方が人であった時に、貴方に抱かれたいとは、想いませんでしたから・・・」荒く息を吐き出しているくせに、調子が戻ったのか、生意気で高圧的なセバスチャン。
 「だったら、もっと乱れてみせろ・・・奥さん・・・」シエルも負けていない。
 「誰が奥さんですか?奥さんなのは、坊ちゃんの方が相応しいでしょう?」いつものセバスチャンだ。
 「もう、おしゃべりは終わりだ、いいな、セバスチャンお前は僕のモノだ。忘れるなよ?」「ええっ・・・解っておりますよ、マイ・ロード。但し、貴方も私のモノだとお忘れにならないでくださいね。」シエルの愛撫を受けながらも、一歩も引かないセバスチャン。
 「ああ、肝に銘じておく事にしよう。」シエルは、一言言うと、セバスチャンの身体を弄り、官能を呼び起こす。
                NO.3へ続く
 
 
 
「絶望の果てに」あとがき
 思っていた以上の長編になってしまいました(・_・;)
 NO.17は、昨日、半分寝ながら書いていました。町内のゴルフに行く旦那の為に、P5起きだったもので(・_・;)
 長々とお付き合い頂き、ありがとうございました♥
 今日、仕事中に考え、メモ書きもなしに、更新致しました。
 基本的に、あらすじ殆ど書かないもので・・・時間がなくて、ぶっつけ本番が好きですので♥
 実は、少し前に考えていたラストは違います。苦手なお嬢様は、戻ってね(・_・;)
 もっと暗くて、本当は、セバスチャンが受けだったりします(・_・;)
 まぁ、内容は、そんなに変わりませんが、この後、書ける所まで、書こうと思います♥
 実は、主人がもう、背後のベッドで眠っているので、キーを叩く僅かな音で目覚めたら、止める事が多いもので(・_・;)
 九条の朝の眠りは、邪魔するくせに、夜はさっさと寝て、役立たずです。
 もうすぐ、結婚して21年なんですよね、Gファンタジー発売日、翌日で・・・
 主人はA型なんで、自分に優しく、人には冷たいんで・・・まぁ、一般に神経質なんですけど・・・
 出来れば、跡継ぎの義務から逃れて、結婚したくはなかったですが、主人を愛しているから、後悔は、少しあるけど、諦めが肝心だと思っています(・_・;)
 結婚は、お互いの運命に翻弄される人生なんですから・・・
 では、もう一つのラストいきます。セバスチャン受け駄目なお嬢様はUターン


 NO.13のラストから、6行目に続きます。
 そこには、かつてのセバスチャンがいた。
 「坊ちゃん・・・貴方を拒否したのは、私です・・・申し訳ございませんでした。しかし、貴方は、ご自分だけで、死のうとなさっている。貴方を御止めせねばなりません・・・この手は使いたくありませんが、止むを得ません・・・これで、私への罰は成し遂げられましょう・・・お一人で生きられますか?クロードを信頼して、ご自分の命を蔑ろにした罰を受けて頂きます・・・」セバスチャンの手には、一本のシルバーが・・・
 手袋を口で咥え、外したセバスチャンは、契約印の傍にシルバーを・・・
 「止めろ!セバスチャン!そんなことをすれば、貴殿は・・・」クロードが叫ぶ。
 セバスチャンは、クロードの制止も聞かず、契約印にシルバーを当て、傷つけた・・・
 「嗚呼っ」セバスチャンの叫び声が上がるのと、身体が炎に包まれるのは、ほぼ同時・・・
 「馬鹿な事を・・・悪魔が契約印を消そうとすれば、死あるのみだ・・・」クロードは呆れていた。
 シエルをシエルらしくする為、自分と誓約を交わした悪魔は、自分で死を選んだ。
 シエルがクロードに抱かれる事で、悪魔の力を失い、人間に戻り、魂を喰わせる為に、死神を呼び寄せたのが、セバスチャンには、許せなかったのだ。
 シエルに、負けず劣らず、気位の高いセバスチャン・・・主人に愛を求められ、飽きて殺した自分には、理解出来ないセバスチャンの行動・・・
 しかし、ここでセバスチャンが死ねは、クロードは、心おきなくシエルの身体を貪れるのだから、構わないのだが・・・動じないシエルに訝しむ・・・
 (悪魔になって坊ちゃんは冷酷になってしまったのか?)クロードは、薄ら寒い感覚を味わう。
 シエルが動く。
 「汝、セバスチャン・ミカエリスに命じる!再契約だ、お前は一生、否、未来永劫、僕の執事だ。勝手に一人で死ぬ事など許さん!今一度言う、お前は、僕の伴侶として僕に従え!どうするセバスチャン?お前は、僕の忠実な僕だろう、返事は?」「イエス・マイロード、私は貴方の忠実なる僕、この先は、貴方の伴侶として、永遠に貴方のお傍に・・・」セバスチャンの手に新たな契約印が、再び、刻まれ、業火と化していた炎は消え、シエルの腕の中に倒れ込む。
 「馬鹿なやつだ・・・」シエルは、セバスチャンを抱きあげる為に、初めての魔力で身体を成長させた。
「クロード済まない・・・やっぱりコイツを見捨ててはおけん。アロイスは、僕が傍に行くのを望んでくれてたと聞くが、逝けそうもないな・・・こんな愚かな悪魔の傍には、せめて僕がいてやらなければな・・・」言葉と裏腹にシエルは微笑んでいた。
 人であった時には、セバスチャンでさえ、稀にしか見られない笑顔・・・
 「いいえ、坊ちゃん、貴方は、こうするだろうと、旦那様は、おつしゃっていました。私が、ここに参りましたのは、せめてもの償いの為、貴方達二人を引き裂いたのは、私達のエゴですから・・・お幸せになって下さい。」クロードは、自分の出来る事をしようとしただけで、これ以上、シエルを傷付けるつもりは、なかったのだ。
 「ああ・・・アロイスには、謝っておいてくれ、お前こそ二度とアロイスを悲しませるな。」「ええ、坊ちゃん、今度こそ、アロイス様を幸せにしてみせましょう。」クロードは、初めて笑顔を見せた。
 セバスチャンはハァ、ハァと荒い息をつき、二人の話を聞くのみだ。
 無茶をした為、消耗が激しい。
 「クス、セバスチャンこれから、お前へのお仕置きタイムだ・・・」シエルは、口元を歪め、ニタリと嗤う。
 セバスチャンは、一言も発せず、眉に皺を寄せただけで、シエルの腕に身体を預けていた。
 こんな時のシエルに逆らっても、無駄だと、知っている。
 浴室に連れて行かれ、全裸にされ、何時の間に湯を張ったのか、バスに入れられた。
 業火に包まれたセバスチャンの身体は、いつの間にか、回復していた。
 セバスチャン自身の力ではない事は確か・・・
 シエルは、膨大で強力な魔力の持ち主になったのだ・・・
 髪は所々、焼け焦げ、独特の焦げた匂いが寝室に充満する。
 シエルが髪に触るだけで、元通りの艶やかな、黒髪に戻っていた。
 シャンプーを手に取り、セバスチャンの髪を丁寧に洗っていく。
   NO.2へ続く
 明日、書けたら書きます。ここまで、お付き合い頂き、ありがとうございました♥
 次回からは、シエXセバですので、ご注意を・・・
 お風呂でH寝室でHだよ♥
絶望の果てにNO.18
「んっ・・・」シエルが目を覚ます。
 広い胸に抱かれていた・・・
 バニラエッセンスの染みついた香り・・・セバスチャンの胸で・・・
 (もう、スイーツ等、作っていないのに・・・)シエルは、苦笑していた。
 殆ど、初めて見るセバスチャンの寝顔・・・
 (美しい・・・何で、こいつは、こんな所まで、完璧なんだ・・・)悔しいくらいに美しい男・・・でも、悪魔になって、セバスチャンに拒否されて、今、こんなひと時が、とても、嬉しいと感じてしまう。
 無防備なセバスチャンを見るのは、初めてだった。
 セバスチャンに自分からキスしてやろうと思ったシエルだったが、情交の後、過ぎた快楽にセバスチャンも意識を飛ばした為、秘部は繋がったままなのだ。
 動けば、セバスチャンは目覚めてしまう・・・
 折角の悪戯のチャンスを手放したくはない・・・
 ふぅ・・・溜息をついたシエルは、一度、目を閉じ、再び、目をあけた時、目は悪魔の紅い瞳に輝いていた。
 初めて、魔力を使おうとしているのだ。
 セバスチャンの唇に自分の唇を重ねる為、手っ取り早く、自分が大きくなれば良い。
 動かないまま、自分の成長を意識する。
 シエルの身体は、ミルミル成長し、セバスチャンの唇に自分の唇を重ねるくらいには、なっていた。
 始めは、そっと触れるだけで・・・未だ起きる気配のないセバスチャンの唇に舌を差し入れ、大胆に動くシエル。まだ、目覚めていない様だ。
 口付けは、貪る様に激しさを増していく・・・
 行為に没頭し、息が荒いシエルは、気付かない・・・
 既に、セバスチャンは目覚めている事を・・・
 シエルは、セバスチャンが目覚めないのをいい事に、益々、セバスチャンの口内を蹂躙していく。
 しかし、不意にガシッと尻を掴まれ、激しく揺さぶられた。
 「ああ・・・んっ・・・セバ・・・お前、起きて・・・ああ・・・」シエルは言葉が碌に発せない。
 「いけない子ですね・・・坊ちゃん・・・寝ている私を弄ぼう等と・・・そんな悪い子には、お仕置きです♥」語尾にハートマーク付きのルンルンなセバスチャンだった。
 「違う・・・ちょっと悪戯したかっただけ・・・ああん・・・激し過ぎ・・・」シエルは、再び、セバスチャンの律動に翻弄される。
 「ふふっ、そう言う事にしておいてあげましょう・・・さぁ、私を沢山、召し上がれ。素敵ですよ、私にキスしたいが為に、大人になって下さるなんて・・・ちょうど、サイズもぴったりですし、今までより、楽になった分、快楽も深いんじゃありませんか?坊ちゃんのアソコ、凄く、締まって、気持ち快いですよ。」セバスチャンの言葉攻めにすら、シエルは快感を感じる。
 「もう、卑猥な言い方ヤメロ。お前がイチイチ言うとエロく聞こえる。だから、叔母様にいやらしいと言われるんだ。」シエルは、顔を真っ赤にして唸る。
 「いやらしい・・・ですか?懐かしい言葉ですね。それでは、もっとご期待に沿って、激しくしてあげましょう。貴方は、私のココがお気に入りですからね。咥え込んで、締め付けて、食い千切られそうですよ・・・」汗を滲ませ、セバスチャンも強烈なシエルの締め付けに堪りかね、律動を激しくして、欲を放出しょうとしていた 。
 「もう、僕は・・・イク・・・セバスチャンも一緒に・・・」「ええ、シエル何処までも、一緒に。未来永劫、私の傍で、伴侶として傍にいて下さいますか?もう二度と、貴方を失いたくありません。貴方を愛しています。今頃、気付く、私が悪いのですが・・・」セバスチャンは、行為はそのままに、態度は、シエルに従順な執事の様に・・・悪魔で見せ掛けだが・・・
 「僕の傍にいろ、僕から離れるな!何度言えは、理解出来るんだ?そんな愚かな悪魔を愛してやれるのは、僕だけだ。お前が僕に飽きても、自由にしてはやらん。お前が馬鹿だから、僕の魂を掠め取られたりするんだ。サッサと魂喰えば、良かったのに、この馬鹿!」人間でなくなったシエルは、多少、激しく抱かれても、壊れる事はない。
 「そんなに馬鹿、馬鹿と連呼しないで下さい・・・流石の私でも、多少は傷付きますよ。私が貴方に飽きる事はありませんよ。貴方こそ、私に飽きたなんて言わないでしょうね?貴方こそ言いそうで、怖いですよ。」強ちセバスチャンのカンが外れている訳でもない。
 享楽に貪欲なシエルは、何にでも、すぐ飽きてしまうのだから・・・
 その度にセバスチャンは、色々、苦労させられたのだ。
 「お前に飽きた。もう、いらん。何処へでも行っていいぞ。」悪戯っぽい顔で、言いそうなシエルに不安を覚えるセバスチャンだった。
 「フフ・・・それもいいな・・・まぁ、そんな日がこないとも限らんが、僕は意外と我慢強いんだ。誰かさんの御蔭でな・・・お喋りはここまでだ。サッサとイかせろ!」「イエス・マイロード」常套句を口にするセバスチャンは何処か、嬉しそうだった。
 悪魔になって心を無くした筈のシエルは、そんなセバスチャンの顔を見て、幸せを感じる。
 (ああ・・・エリザベスを助け、溺れた僕を助けたセバスチャンの笑顔だ・・・お前はここにいたんだな。セバスチャンお前は、僕の永遠の伴侶だ。)シエルは、心が温かくなり、セバスチャンに口付ける。
 二人の愛は、紆余曲折を迎え、やっと結ばれる。
 お互いを只の契約者としか見ていなくて、本心に気付かず、回り道をした二人・・・
 今、同族になって初めて、自分の本音と向き合った。
 二人の愛は、永遠となり、今、成就した。                        FIN
 
絶望の果てにNO.17
 絶望の果てにある物・・・それは、果てしない快楽と、本当の幸せの入り混じった複雑な未来・・・
 人であっても、悪魔であっても、未来等、解らない・・・
 解らないこそ、生きていけるのだ・・・輝かしい未来を信じて・・・
 幸福な一生を送る人等、存在するのだろうか?

否、趣味が千差万別である様に、幸せの定義等、人其々・・・
 生きてシエルと愛し合うセバスチャンが幸せなのか、お互いに死んで、同じ所で再び会えたかも知れない、クロードとアロイスの方が、もっと幸せなのかも知れない・・・
 様は、考え方、感じ方の違いで、不幸にも、幸福にもなれると言う事・・・

 「ああ・・・ん・・・」人であった頃と変わらず、シエルはセバスチャンに抱かれ、嬌声を上げ続けていた。
 「坊ちゃん・・・そんなに・・・締めたら・・・クッ・・・」セバスチャンは、久しぶりに味わうシエルの身体に溺れていく・・・
 何度抱いても、穢れないシエル・・・
 それは、自分と同じ醜悪でえげつない存在になっても、変わらない・・・
 何を迷っていたんだろう・・・何故、シエルの手を自分から、撥ね退けたんだろう・・・
 セバスチャンは自身の心さえ、コントロールできない程、シエルに溺れて行く・・・
 「坊ちゃん・・・坊ちゃん・・・私のシエル・・・」切なげな表情は変わらないが、シエルの身体で快感を感じ汗を迸らせ、余裕のないセバスチャンがそこにいた。
 シエルは切なさと、幸せな気持ちとの共存を味わっていた。
 (僕は、悪魔になりたかった訳じゃない・・・でも、それで永遠にセバスチャンといられるならば・・・)セバスチャンの首にしがみつく。
 「シエル・・・もう・・・イっていいですか?あまりの締め付けに持ちませんよ・・・」セバスチャンは苦笑していた。
 シエルが人だった頃は、一方的にシエルを責め、喘がせ、自分が優位に立っていた筈なのに、シエルが悪魔になったせいか、感じ過ぎて、持たないのだ。
 「ああ・・・いい・・・ぞ・・・僕も・・・もう・・・」何度セバスチャンにイかされたか、覚えていないシエルだった。
 お互い抱き合いながら、お互いの唇を求める。
 「ああ・・・セバスチャン」「シエル・・・」お互いの名を呼び、更なる快楽に溺れて行く二人・・・
 セバスチャンは、シエルの腰をがガシッと掴み、律動を激しくしていく・・・
 繋がった場所は、お互いを離さないと言う様に、熱くなり、一つに溶け合っていく感覚に苛まされていく・・・
 「あああ・・・」二人の喘ぎ声が重なり、激しい快楽に包まれ、射精していた。
 シエルの再奥にセバスチャンは、熱い迸りを流し込み、シエルを穢していく・・・
 シエルは、繋がったまま射精したので、セバスチャンの腹を自身の放った精液で穢した。
 繋がったまま・・・過ぎた快感に意識を失う二人・・・
 
 「ねぇ、何で、坊ちゃんの誘いにのってやったの?ウィル・・・」死神派遣協会に戻った二人は、シエルの話をしていた。
 「簡単な事です。例え、シエル・ファントムハイヴが悪魔になったとしても、契約は続行されました。あの害獣に首輪がついてる内は、人の魂を食べる事はないでしょう。悪魔に魂を掠め取られては、堪りませんから、監視して貰ってるだけですよ・・・」グレルは半信半疑だった。
 それでも、シエルの恋心には、共感しているのだ。
 堅物な恋人、ウィルは気マグレで、いつ、その気になるのか、期待しても無駄だったりする。
 セバスチャンは悪魔なので、案外、手を出してくれそうなのに、美学一辺倒で、意外にストイックなのだ。
 シエル一筋なのは、契約だけではない感情が、介在している事くらい、とっくに気付いていたグレルだ。
 自分の気持ちにまったく気付かない、無粋な恋人を持ったシエルにうっかりと同情してしまう。
 「坊ちゃんも苦労するわね・・・女はいつも耐えるだけなのかしら・・・」グレルは、一人言を呟く。
 「さぁ、グレル・サトクリフ。事の顛末の始末書、書いて提出しなさい。」「へっ?何でワタシが・・・神と相談してクロードを坊ちゃんに派遣したの、貴方じゃない?ワタシ関係ないわよ(・_・;)」「何言ってるんですか?貴方がアロイス・トランシーの魂、狩らないから、今の状態になったんじゃないですか?では、宜しく、お願いします。」ウィルは、グレルの言い分等、聞く耳もたなかった。
 さっさと部屋を退出して、何処かに行ってしまうウィルだった。
 「ああ・・・ん・・・ウィルは冷たいんだから・・・でも、そこがいいんだけど・・・」ガキのシエルと変わらない・・・恋に溺れた者は、相手に振り回されるのも、悦びに感じるのだから・・・
 「坊ちゃん、もう二度とセバスチャンを離さないでね・・・」祈りにも似たグレルの言葉・・・
 想いが通じない程、辛い物はない・・・グレルは経験から、シエルに同情するのだ。
 悪魔になった今、シエルが人の魂を喰わずにこのまま、生きていけるのか?
可能性は未知数で、誰にも、結末等解らない・・・
 只、生きて、二人で幸せになって貰いたいと思うグレルだった・・・
 
 
絶望の果てにNO.16
「坊ちゃん・・・私は、最後のあの時、貴方の魂を喰らう前に、キスしようとしました。それが、クロードに貴方の魂を掠め取られる原因でした。私には、貴方を殺せない・・・だから、貴方のお腹を貫いて、確認しました。ご存知ですか?悪魔にだって心臓はある。但し、人間とは、逆の位置にあるばかりか、高位になれば、自由に移動出来るのですよ、覚えといて下さいね。」セバスチャンは、シエルに悪魔の秘密を教えた。
 悪魔には、心臓がないと言われるのは、人とは、異なる位置にあるばかりか、自由自在に位置を変える存在があるからだ。
 何故なら、悪魔は不死ではない。
 身体は、肉片になろうが、完全に再生可能だが、悪魔の心臓は、悪魔の最大の弱点だからだ。
 もし、心臓を貫かれたら、悪魔とて死ぬ。
 悪魔は、身体を消す事も出来るのだから、死なぬ為に、心臓を消し、再生を図るのだ。
 その事実は、闇に葬られ、人である身が知る事は出来ない悪魔の秘密・・・
 セバスチャンは、シエルの耳元で囁く「もし、私が貴方を守る事が出来なくなったら、心臓を消し、身体を何者かに差し貫かれても、その存在が、いなくなるまで、我慢して下さいね。心臓さえ無事なら、貴方は悪魔として再生を果たす事が出来る・・・もし、私が塵と消えたなら、魔界に行きなさい。同族から、どんな扱いを受けようとも、一人で逞しく生きて行って下さいね。貴方は、元人間・・・大切に扱われましょう・・・」セバスチャンの言葉にシエルは悲しくなり、涙が頬を伝う。
 「お前は、とことん意地悪だ!やっとお前を取り戻せたのに、何で、今、そんな事を言うんだ・・・」シエルは、悲しみのあまり、心が傷つき、立ち直りかけたのに、心が闇に染まってしまう。
 「申し訳ありません、ですが、私が貴方を守りきる事が出来るのかは、保障がないのですよ・・・貴方を守りたくても、私の力が及ばない時がくるかも知りません・・・保険だと思っていて下さいね。」セバスチャンは、シエルの涙をペロッと舐め、愛撫を開始した。
 「愛しています・・・だからこそ、貴方を悪魔にしたくなかった・・・人間のまま、殺す事も出来ず、私は道を誤ってしまいました。お許しいただけますか?シエル・・・」初めて口にする主の名前・・・
 「そんな事イチイチ言わなくても、お前には、僕の心など、お見通しだろうが・・・まったく、躾のなっていない困った犬だ・・・許して欲しかったら、僕に永遠に償え・・・一時も傍を離れず、僕に飽き様が、他のどんな者にも、目もくれず、僕と共に・・・もう一度僕の名を呼べ・・・」シエルはセバスチャンに名を呼ばれ、ドクンと心臓が、なった気がしたのだ。
 余りにも、嬉しくて・・・どんな時でも、情事に溺れている最中でも、人間界では、呼ばれなかったシエルの名前・・・セバスチャンの口から、自分の名を呼ぶ声が紡がれ、どれだけ、自分はセバスチャンに溺れているのか、想い知るシエルだった。
 「嗚呼・・・貴方こそ意地悪だ・・・私は、貴方以外に目もくれていないと言うのに・・・貴方のその右目にかけて、私の左の手の甲の紋章に誓いましょう・・・私は未来永劫、貴方のモノです・・・」セバスチャンの心からの誓い・・・シエルはやっと満足した。
 「いいだろう、セバスチャン僕も、この右目にかけて、誓おう・・・お前だけだと、僕に触れるのは、お前以外二度と許さないと・・・僕も未来永劫、お前のモノだ・・・愛してるセバスチャン」シエルの初めての告白。
 悪魔になったせいか、自分に正直になれたシエルだった。
 好きだとは言ってくれたシエルから「愛してる」の言葉を受け、ない筈の心が、シエルに対する切ない感情がセバスチャンを支配していた。
 「シエル・・・シエル・・・」切なげに自分を呼ぶセバスチャンの声・・・
 「そう言えは、セバスチャン僕の羽根がお前を傷つけた・・・傷は?」肝心な事は、セバスチャンと心が通じた方に夢中で忘れていたシエルだった。
 「大丈夫ですよ、この背中の傷の痛みは、貴方の心の痛みよりも、軽い物ですから・・・さぁ、もう離しませんよ。私の子を孕んでも良いとおっしゃって下さったんですから、私の想いを受け止めて下さいね。」人間界にいた時の様な、胡散臭いセバスチャンの頬笑みに、シエルは一抹の不安を感じる。
 「もう解った・・・お前は良くても、僕が嫌だから、背中を向けて、ベッドにうつ伏せになれ。僕が取ってやる。」シエルの申し出に渋々と、セバスチャンはシエルに背中を向けた。
 想いが通じ合った今、早く、シエルを抱きたくて仕方ないのだ。
 只でさえ、不器用なシエルなのだ・・・
 大量に刺さった羽根を抜くのに、どれだけ我慢しなければ、ならないのか?
 全ては、セバスチャンの自業自得なのだが・・・
 「えっと・・・うーん・・・」シエルの何やら、不安げな声・・・
 刺さり過ぎているので、中々、抜く事がままならないシエルなのだ。
 唸りながら、必死なシエルなのだが、セバスチャンは、堪らない。
 「坊ちゃん、私はもう、待てません。自分で抜きますから、少し離れて下さいね。」ニッコリ微笑むセバスチャンに「ああ・・・わかった・・・」シエルは照れくさそうに言った。
 セバスチャンは、燕尾服をスルッと脱ぐ瞬間、刺さっていた背中の羽根を全て、抜きさった。
 悪魔としてのセバスチャンも完璧で、シエルは自分の方が、支配されているのだろうかと、錯覚さえしていた。
 「さぁ、坊ちゃん・・・」喜々としてシエルをベッドに押し倒すセバスチャン。
 多量の出血した男とは思えないセバスチャンは、やっぱり悪魔だった・・・
 「お仕置きの時間です・・・私は、永遠に貴方の執事ですが、ベッドの中では、私が主人です・・・貴方は、私の妻なんですから♥」ハートマークさえ、つけて嬉しそうに自己主張する悪魔なセバスチャン。
 「だ・・・誰が妻だ(・_・;)僕は、男だ。止め・・・あっ・・・」セバスチャンに組み敷かれ、身体中、舐めまわされ、蹂躙されていくシエル。
 言葉はなく、自分の心のままに、セバスチャンはシエルを愛していく。
 「はぁっ・・・やだ・・・そんな・・・」シエルの幼いモノは、張り詰め、セバスチャンの口内に咥え込まれていた。何度も、嬲られ、しゃぶられ、理性も何も、剥ぎ取られ、嬌声を上げ続けるシエル。
 「もう、イっても良いですよ・・・飲んで差し上げますから・・・」恥ずかしい事を平気で言うセバスチャン。
 悪魔には、羞恥心等、ありはしない。
 しかし、シエルは顔を真っ赤にしてうろたえる。
 「やぁ・・・もう、口を離せ・・・出る・・・」解放の快楽が、シエルを支配していく。
 「ああっ・・・」シエルは、セバスチャンの口内で、射精してしまったのだ・・・
 「美味しかったですよ・・・シエル・・・」只、シエルの射精の手伝いをしただけの、セバスチャンだった。
 味覚がどうなっているのか、男の味等、たいして変わらない。
 不快な匂いと味しかないのだ。
 「さぁ、坊ちゃん、次のレッスン、行きますよ。」セバスチャンは、シエルの反応が嬉しくて、堪らないと言った感じだった。
 こんなにシエルを愛せる日がこようとは・・・シエルは自分を捕らえて離さない。
 「もう、早・・・く・・・」シエルは、余裕のあるセバスチャンに、いい様のない不安を感じる。
 囚われているのは、私かも知れないと不安なのはセバスチャンで・・・セバスチャンの心まで、シエルが解る訳はない。
 悪魔になったばかりの身では・・・
 グイッと足を引き寄せ、お尻が浮き上がる格好にさせられたシエル。
  「なっ・・・何て格好させるんだ。恥ずかしいから、早くしろ・・・」シエルは、余裕等、ないのだ。
 「イエス・マイロード」常套句を口にするセバスチャン・・・
 秘部に顔を寄せ、蕾を舐めていくセバスチャン。
 「ああ・・・んっ・・・」シエルは快楽に溺れていく。
 「シエル・・・我慢出来ない・・・」セバスチャンは平静を装っていただけ・・・
 スラックスの前から、取り出した自身の大きさに、セバスチャンは苦笑した。
 ビクン、ビクンと動き、シエルの蕾を突きだす・・・
 「はぁ・・・」ズプッとそれは、シエルの内部に押し入った。
 「力を抜いて・・・シエル・・・」シエルの内部の強烈な締め付けに、イってしまいそうなセバスチャン。
 シエルは、辛そうなセバスチャンの頬に手を伸ばす。
 汗をうっすらと滲ませ、悩ましげなセバスチャン。
 こんな美しい男が自分を求め、欲しがる様は、シエルの優越感を満たしていく。
 (僕には、お前だけでいい・・・お前以外、何も要らない、望まない・・・)その為には、セバスチャンを喜ばせる為なら、子を孕もうが構わないシエルなのだ。
 やっと手に入れた、僕の愛する存在なのだから・・・
 
絶望の果てにNO.15
「仕方ないだろう・・・それが僕達らしいんだから、グレル・・・」シエルは、懐かしい声に反論した。
 「やっとワタシの事、思い出してくれたって訳?坊ちゃんも可愛そうね・・・悪魔に操られて、踊らされちゃったんだから・・・」グレルは、素直に同情した。
 「グレルさん今回ばかりは、貴方に感謝しますよ、坊ちゃんを二度も失う所でしたから。貴方も役に立つ所があるじゃないですか?」セバスチャンは、嫌味半分に感謝の言葉を述べる。
 「あら、セバスチャンに褒められるなんて♥でもね、本当に感謝するのは、ウィルにしてね。彼が骨を折ってくれたから、クロードに坊ちゃん、喰われなくて済んだんだからね♥」グレルは、ウィリアムの名前を口にした。
 「なんだ、僕の心なんて、あいつには、お見通しか・・・本当に死にたかったのは、事実なんだがな・・・」シエルは、ウィリアムを呼び出し、自分の今の望みを叶える様依頼したのだった。
 セバスチャンに嫌われてまで生きていたくないから、死なせて欲しいと・・・
 ウィリアムは、シエルの頼みを叶える振りをしただけなのだ。
 「グレル・サトクリフ。私達の用事は済んだのですよ、余計な事は言わず、もう、帰りますよ。」ウィルは、淡々と言った。
 「コホン、済まなかったウィリアム。わざわざお前を呼び出したのに、こんな事になってしまって。やっとセバスチャンを取り戻せた、感謝する。」シエルは、滅多な事では、礼を言わない。
 一同、目を丸くして、シエルを凝視していた。
 「な、何だ、その目は・・・セバスチャンお前まで・・・」シエルは、自分を拒絶したくせに、以前となんら変わらない、セバスチャンに抗議する。
 「いえ、珍しいなと思いまして・・・」クスクスと、苦笑するセバスチャン・・・
 「どうでもいいのですが、もう少し、慎みを持たれたら如何ですか?目のやり場に困りますが・・・」ウィリアムは、シエルの痴態を差して、言っているのだ。
 クロードに首筋を舐められただけで、コトには、及べなかったが、シャツをはだけて、何とも悩ましい格好のまま、セバスチャンが抱き締めているだけなのだ。
 「わっ」シエルは改めて、自分の姿に絶句した。
 「坊ちゃん、これを・・・」セバスチャンは、慌てて、自分の燕尾服でシエルを包み込む。
 懐かしいセバスチャンの匂いに包まれ、シエルは、嬉しくなった。
 「やっとお前は、戻ってきたな・・・」「ええ・・・やっと・・・お待たせしました。坊ちゃん・・・」セバスチャンは、人間界にいたシエルの執事だったセバスチャンに戻っていた。
 魂を喰えずとも、シエルはシエルだったから・・・
 「ああっもう、二人だけの世界に入っちゃって・・・ウィル戻りましょ、ここにいたら、お邪魔みたいだし・・・」グレルは慌てた。
 「だから、帰ろうと言った筈ですが・・・」ウィルは、自分の話を聞かないグレルに呆れた。
 「なんだ、まだいたのか、さっさと帰っていいぞ。」シエルはシッシッと手を振る。
 想いが叶った今、邪魔者は、サッサと出て行って貰いたいシエルだから。
 何日、セバスチャンと触れあっていないだろう・・・もう、何年も会えなかった気がする。
 抱き合って、セバスチャンの温もりに一刻も早く、包まれたい。
 言葉が足りず、すれ違ってばかりの二人だから・・・
 「坊ちゃん、解っていらっしゃいますよね?私とセックスすれば、どうなるかって事くらい・・・それでも、宜しいのですか?」セバスチャンは、イチイチ確認する。
 「ああ、何がどうなるか等、とっくに知っている。それでも、僕は、お前が欲しい・・・お前が嫌じゃないならな・・・」シエルは、命令ではなく、選択権は、セバスチャンに与えた。
 「解りました。しかし、貴方も物好きですね、今は悪魔と言えど、元は人間・・・悪魔の子供を産む事はおろか、人間は子を孕むだけで、恐怖を感じると言うのに・・・」潔いシエルに感心してしまう。
 「怖くない訳じゃない・・・それでも、お前が欲しい。お前と離れたくない。僕は愚かかも知れないな・・・」
シエルは、俯いてしまう。
 「いいえ、そんな事ございませんよ。お顔を上げて下さい。こんな私を、貴方を騙し続けた私を求めて下さって、嬉しいですよ。」セバスチャンは、シエルの顎に手を掛け口付ける。
 ピチャッ、クチュ卑猥な水音が、寝室に響く。
 もう、誰も二人を邪魔する者はいない。
 お互いの舌を絡め、貪る様に口付ける。
 (ああ・・・これは、セバスチャンだ。僕の愛した悪魔・・・僕だけの悪魔・・・)シエルは、恍惚とした感覚に包まれる。
 セバスチャンも久しぶりにシエルとのキスを楽しんでいた。
 小さな舌で、一生懸命、自分の舌を吸い、絡め、楽しませてくれる小さい主・・・
 求められて、嬉しくない訳がない。
絶望の果てにNO.14
いつの間にか、突風の中に悪魔の黒い羽根が、舞い降りていた。
 「いけません!坊ちゃん、悪魔の力を暴走させては、貴方が衰弱してしまう・・・」セバスチャンの声は、怒りに支配されたシエルに届かない。
 「うっ・・・」シエルの悪魔の羽根が、セバスチャンの皮膚を切り裂いていく。
 縦横無人に羽根は、舞い上がり、セバスチャン目掛けて、襲いかかる。
 血が飛び散り、セバスチャンの身体がみるみる赤く染まって行く。
 「来るな、僕に近づくな・・・」シエルは、目の前のセバスチャンの様子に、恐怖を覚えた。
 (このままだと、セバスチャンを殺してしまう。)高位であるセバスチャンには、悪魔になったばかりのシエルの羽根など、皮膚を切り裂くだけのモノで、死ぬ訳ではない。
 シエルは、セバスチャンを愛しているから、傷つけたくないのに、暴走した力を止める術など、持ち合わせていない。悪魔になって初めて、力を暴走させたから。
 「坊ちゃん、落ち着いて下さい。まだ、人の魂を喰っていないのですよ、このまま力を使い続ければ、貴方は死んでしまいます。お怒りは、後で存分に受けますから、心を落ち着けて・・・」セバスチャンは、兎に角、低姿勢を装ってみた。
 「落ち着けるか!お前は、いったい何なんだ!僕の事、そんなに弄びたいのか、もう、僕が死ねばいいんだ。」逆効果だった。
 力は益々、暴走し、シエルの背中から、真っ黒な闇に染まった羽根がバサッと生えてきた。
 「坊ちゃん!」セバスチャンの叫び声と共に、シエルの羽根から、シエル目掛けて、羽根が手裏剣の様に放たれた。アッシュの天使の白い羽根が、シエルを狙った時の様に・・・
 ドス、ドス鈍い音が部屋に響いた。
 辺りに充満する血の赤い色と、鉄の匂い・・・視界が明るくなってくるとシエルは、驚きの声を上げた。
 「セバスチャン!」何時の間に、シエルを抱きしめていたのか?シエルを守る為に、セバスチャンは、シエルの羽根を背中に受けていた。
 セバスチャンは、シエルの羽根を大量に受けて、口の端からは、血を流していた。
 「馬鹿・・・何で、僕を庇って・・・お前は、アッシュと戦った時と変わらない・・・僕を守る為に傷ついて・・・」シエルは、そんなセバスチャンに悲しみしか、感じなかった。
 愛しても、愛してはくれない・・・
 悪魔になっても、セバスチャンは手に入らない・・・死んだ方がマシなんだと・・・
 「坊ちゃん、お怪我は?ええ・・・私は、馬鹿ですよ、こんなになるまで、自分の心に気付けなかった。貴方を失いたくなかった。これ以上、貴方を苦しめたくなかった。いいえ、嫌われたくなかった・・・貴方を、私は、
愛している事をお伝えしていれば、貴方を苦しめなかったのに・・・」セバスチャンは、傷つけたくなかったのに、またしても、シエルの心に深い傷を負わせてしまった事に後悔する。
 「だったら、僕の傍で償え・・・お前は、僕の永遠の執事だと言った筈だ。下僕だったお前が、僕を見放したから、こうなったんだろうが・・・いい加減、懲りたらどうだ・・・」シエルは溜息をついた。
 自分を抱き締めるセバスチャンの首に腕を回して抱きつきながら・・・
 「でしたら、私の傍にいて、私を見張っていて、下さいませんか?この駄犬が二度と貴方を苦しめない様に、貴方を裏切らない様に・・・未来永劫、私の傍にいて下さい・・・」求婚とも取れるセバスチャンの言葉・・・
 ゴホン、ゴホン完全に忘れられたクロードは、咳払いをした・・・
 「茶番は、もう結構。坊ちゃん、貴方は、セバスチャンを忘れられないのですよ。こいつを見捨てる事等、出来はしない。ご自分に正直におなりなさい、私が死神の依頼を受けたのは、旦那様の為。アロイス様は、悔やんでおいでです。貴方の運命を狂わせたと・・・貴方は、まだ間に合う。私達とは、違って・・・後悔しても、刻は戻らない。生きているうちに、愛する気持ちに正直にならなければ、死んでも死にきれない。そうなりたいなら別ですが・・・」クロードはしみじみと語る。自分達の人生は終わったからだ。
 「アロイスは死んで、お前と一緒になれたんだろう・・・それで幸せになれたなら、いいんじゃないか?僕とセバスチャンはそうはならない。こいつは、僕を拒絶したんだからな。」シエルは、セバスチャンにまで、裏切られたから、簡単に人の言葉を信じない。
 「坊ちゃん、いい加減、私の言葉を信じて下さい。私が悪かったんですから・・・何もかもお話致します。もう、聞かれなかったからと・・・意地悪言いませんから、許して下さい。」セバスチャンは心から詫びた。
 それで、シエルがあっさり許しては、くれないだろうが・・・
 「わかった。許してはやらんけど、お前の態度次第では、考えてやらん事もない。いいか、自分で勝手に行動するな!もし、また、僕が記憶を失ったとしても、何もするな、僕に相談しろ、わかったな!」「イエス・マイロード」結局、シエルはセバスチャンを置いて、一人で死ねないのだ。
 セバスチャンを死なせるくらいなら、自分が死んだ方がマシなのだから・・・
 「はぁ、貴方達には、呆れますよ。それ程、想い合ってて、何で離れるのか、理解に苦しみます。二人共、負けず嫌いで、馬鹿にされるのが、大嫌い。お互いに依存しているのを知られたくないってトコでしょうかね?もう、巻き込まないで下さいね。私が二人を引き裂いたのだから、言えた義理ではないでしょうけど、罪の償いの為に、協力したのですから、幸せになって下さらないと、呪いますよ。」クロードは、すっかり、二人の世界にいる二人に怒りを感じていた。
 自分を殺したセバスチャンがこれ程、愚かだとは、思わなかった。
 シエル以外には、冷酷なのに、たかが一人の人間に、こうも心乱されるのか?主を手にかけた自分には、理解出来ない。自分の意に反した主などいらない・・・それが、クロードの美学だった。
 しかし、自分もセバスチャンと同様、主に縛られていた。
 自分より、遙かに高位であろうセバスチャンを下僕に出来たシエルとは、一体・・・興味はつきないが、アロイスの手前、主の元に戻らねばならない。
 「済まない、クロード、僕は、やっぱりセバスチャン以外とは・・・」シエルは利用しただけのクロードに詫びた。自分を苦しめた存在だが、セバスチャンを手に入れる協力をしてくれたみたいな物だから。
 「いいえ、貴方は悪魔になろうとも、貴方だ。魂が手に入らないからと言って貴方を殺そうとは、こいつが、愚かなだけ。本質は変わらないのですよ。悪魔になった貴方と永遠に一緒にいられるなら代わりたいくらいだ。まぁ、貴方を存分に味あわせて頂いたから、満足していますよ。そろそろ、時間切れです。もう、私はここには、いられない。」クロードの身体は、透けだし、少しずつ見えなくなっていく。
 「アロイスと幸せに・・・」シエルはクロードに手向けの言葉を掛けた。
 「坊ちゃん、おわかりでしょうね・・・」邪魔者がいなくなり、態度を変えるセバスチャン
 「何の事だ・・・」シエルは、セバスチャンが激しく怒っている事を悟っていた。
 「一人で勝手に死のうとした事、許しませんよ。貴方は私のモノなんですから。」「お前が悪いんだろうが、僕を拒絶するんだから!」シエルも負けていない。
 「もう、いい加減にしたら?似た者同士なんだから、どっちが悪くたっていいんじゃない?クロードが間、取り持ったって、貴方達変わらないんだもの・・・」呆れた溜息と共に聞き慣れた声がした。
 グレルだった。
 
 
 
絶望の果てにNO.13
シエルは、クロードに抱き上げられたまま、耳を塞いでいた。
 そんな事しても、セバスチャンの心すら読めると言うのに・・・
 ダン!ダン!ドアに拳を打ち続けるセバスチャン。
 自分が、歯痒くて仕方ないのだ。
 うっすらと血が滲んでも、止めなかった。
 パシッ、不意に誰かに、手を握られ、それ以上、ドアに手をぶつける事はなくなった。
 「愛に破れたセバスチャン・・・」「グレルさん!」セバスチャンの手を掴んで、血をペロッと舐め取るグレルだった。
  「止めろ、何をする!」シエルがいない今、執事である必要のないセバスチャンは、荒々しく、言葉を荒げた。
 「あらっ?それが、本来の貴方な訳?坊ちゃん取り戻すのに、協力してあげたワタシに随分な態度ねぇ?まぁ、いいわ、このままクロードに坊ちゃん取られて、我慢してる貴方なんて、興冷めですもの・・・いい?迷ってる暇はないの。永遠に坊ちゃんを失ってもいいの?」「どう言う事です?」セバスチャンは、今度は、グレルに低姿勢に出た。
 オカマであろうと、利用する価値はある。


 一方、客室の二人は・・・
 「嫌だ、キスは・・・」シエルは、口付けしようとするクロードを拒否していた。
 自分の望みを叶える為のクロードとの行為なのに、セバスチャンに過去を塗り替えられたシエルは、拒否反応を起こしてしまう。
 フゥ・・・珍しくクロードは、ため息をつく。
 「坊ちゃん、これからもっと色々するんですよ、キスだけでそれ程嫌がって、どうするんです?」クロードは呆れていた。
 「と・・・とにかく、キスだけはだめだ!次にさっさと進めば、いいだろうが!」シエルは、つい、イライラしてしまう。
 「解りました、後で文句おっしゃっても、二度と、キスして差し上げませんからね。覚悟して下さい。」クロードは、うっすらと口元に微笑みを浮かべた。
 過去に散々、脂ぎった人間に抱かれてきたシエルなのに、今はセバスチャン以外、身体を許してはいないのだ。
 恐怖が蘇っても、我慢するしかない。
 クロードの唇がシエルの白い首筋に吸いつく。
 ビクッ、シエルは嫌悪感を抱いても、耐えていた。
 ネットリと執拗にシエルの首筋に吸いつくクロード。
 セバスチャンではない事実がシエルの悲しみを増長した。
 (僕は何故こんな事を・・・本当は、セバスチャンに抱かれたいのに・・・)求めても、拒否された想いに心が悲鳴をあげる。
 涙は、頬を伝い、胸まで濡らす。
 それでも、クロードは、一向に愛撫の手を緩めない。
 (セバスチャン、セバスチャン)軋む胸の痛みにシエルの心は、悲しみに支配されていた。
 「ああ・・・この白い肌・・・嬉しいですよ、貴方を私のモノに・・・坊ちゃん」クロードは、歓喜の声を上げた。
 (この一度だけで、僕の望みは叶うのだ。セバスチャンに拒否された僕等、いらない。)シエルは只、黙って耐えた。
 
 「何ですって!」セバスチャンは、グレルの告白に驚きの声を上げ、「坊ちゃん!」パタンと激しくドアを開け、飛び出して行った。
 「間に合えば良いけどね・・・まぁ、そうなったら、セバスチャンはワタシのモノ、必ず堕としてみせるわ♥これで良かった訳?ねぇ、ウィル?」グレルは、セバスチャンが飛び出したからか、以外な人物の名を呼んだ。
 「ええ、上出来です、貴方にしてはね。これで、害獣が野放しにならなくて済むでしょう。」ウィリアムは淡々と話す。
 「こんな回りくどい事しなくても、良かったんじゃない?何か、坊ちゃん、悪魔にも、死神にも、弄ばれてる感じでワタシ嫌だわ・・・」グレルはライバルのシエルに同情していた。
 「貴方、害獣を手に入れるんじゃなかったんですか?飼い主を己で殺しておきながら、シエル・ファントムハイヴは可愛そうなんて、虫が良すぎますよ?」ウィルは、死神として堕落しきってるグレルに呆れる。
 「貴方程、悪趣味じゃないわよ、坊ちゃんの依頼受けたんだから・・・セバスチャンに嫌われたから、死にたいなんて・・・その為にクロードをあの世から、呼び寄せたなんてね。神に相談までしてね・・・何か、訳解らなくなってきちゃった。何故、そこまで、坊ちゃんにこだわるの?」グレルの疑問も尤もな事だ。
 「貴方は、知らなくていい事です。知った所で何も変わらない。あの害獣が、自分に素直にならない限りは。」
ウィルは淡々と話す。
 「ああ、嫌になっちゃう・・・何でこんな堅物好きになっちゃったんだろう・・・」グレルは自身に呆れた。
 セバスチャンに興味あるのは、事実だが、ウィリアム程、好きにはなれないのだ。
 「もうすぐ、結果が出るでしょう・・・それまで待ちましょう。」ウィルは、自身の行動に自信を持っている。
 「セバスチャンが坊ちゃんと生きる選択等、しないわよ。魂、食べれないから、手にかけたんだからね・・・」
グレルは、一部始終、悪魔達の行動を見届けていたのだ。
 悪魔達に気付かれない場所で。
 「そうでしょうか?あの害獣は、本当は、シエル・ファントムハイヴを殺せたのに、殺さなかったのかも、知れませんよ?」ウィルは自信たっぷりだった。
 「それでも、いいんじゃない?今は、坊ちゃんを取り戻そうと必死なんだから。あの子は、子を孕んだとしても、逞しく生きていくわよ。マダム・レッドの甥なんだから・・・セバスチャンに見捨てられたとしてもね。」グレルはシエルの本質を見抜いていた。
 「だから、貴方は、死神として駄目なのですよ・・・」ウィルは呆れる。
 セバスチャンを好きだと言いながら、彼の本当の本音には気付かないのだから・・・
 「どう言う事よ・・・」グレルは不貞腐れていた。
 「まだ、解らないのですか?セバスチャンは、あの悪魔は、シエル・ファントムハイヴを愛してるんですよ。」
 
 (坊ちゃん!坊ちゃん!私は愚かでした・・・貴方の気持ちに気付かないなんて・・・貴方の想いを拒否するなんて・・・許されるなら、貴方を抱いてしまいたかった。でも、この想いは、貴方の運命を益々、狂わせる。)セバスチャンはシエルを求めて只、走った。客室は、玄関からさほど離れていないと言うのに中々辿り着けない。
 「坊ちゃん!」やっと辿り着いた客室のドアを荒々しく開けるセバスチャンだった。
 そこには、クロードに愛撫され、首筋に薔薇の花の様なキスマークだらけのシエルがいた。
 「いいところで邪魔してくれますね。貴方は、最早、坊ちゃんに取って不要なのですよ、私がいるから。」
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